バウムクーヘンの思い出
- 2015年11月06日
- ごじゃっぺ高座
上記のお菓子を見ると50年前のことを思い出す。親父の学生時代の友人夫妻が車で実家へやってきた。横浜在住の方。その方は自宅へ泊まり、帰って行った。しばらくして、お礼の品物が届いた。届けられたのは上記のお菓子と生ハム。その後、数回来宅したかしら。そのたびに同じ品物が後日届いた。さすが横浜、しゃれたものがあるなあと思った次第。
今、バウムクーヘンなんてどこにでもあり、珍しくもなんともないが、当時は珍しかった。ちと大げさかもしれないが、世の中にこんなおいしいお菓子があったのかしら、、、そして生ハムも美味かった。
卒業後、大学へ残った。大先輩たちが、大学病院へ診療を見学にやってくる。その中の一人が親父の友人だった。勉強熱心な先生で、私の診療を側でじっと見学していた。別に私の治療がすばらしいからというわけではない。当時の最新の治療技術を学びにきたわけだ。
その後、横浜のその先生の自宅へ招かれて夕飯をおごちそうになり、どういうわけか、泊まる羽目になった。そして将来どうするんだと聞かれた。私としては別にそんな大それたことは考えておらず、どうしましょうかと適当に答えておいた。だったらウチの診療室で働かないかと、、、、その先生には子供がいない。盛業中の歯科医院を私にまかせたいという話になった。死んだ親父も喜ぶぞと、、いや弱ったなあ、、、あいまいに答えておいた。帰るとき、奥様お手製のお弁当まで持たせてくれた。
その後、母親のたっての願いで私の結婚式には招待して、乾杯のご発声をお願いした。そのとき、亡くなった親父の話をしてくれた。数年後、私は当地で開業した。その後、その先生の訃報連絡があった。実家の母親もびっくり。母親から頼まれたお香典を持って、何年かぶりにその先生の家に行った。奥様が気丈に振る舞っていた。
友人たちの結婚式が続き、当時はフランス料理。そこへ生ハムを載せたメロンがでた。瞬間的にその先生を思い出した。そして今ではバウムクーヘンを見るたびに、その勉強熱心な親父の友人の先生を思い出す。
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