甘い物好き
- 2015年08月05日
- ごじゃっぺ高座
生業のことで思い出した。
小さい患者さん。今の時代、むし歯は少ないが、この子はチト多かった。嫁が連れてくる。治療も大騒ぎしてやり、終わればケロッとしている。嫁が歯磨きが足りないからとこぼしていた。オイオイ、小さい子に歯磨きでむし歯予防は難しい。まず食べ物、それもお菓子の与え方だよといったら、やっぱ、そうですよねと言われた。そこで嫁が愚痴をこぼした。
同居している祖父が孫可愛さにお菓子ばかりやっている。嫁も仕事をしており、孫を預かってもらっている関係上、あまり無理強いは言えない。この祖父を私はよく知っているので、いつか来院したときに、それとなく言ってみるからと話しておいた。
もう20年以上も前の話。夜、あるお母さんから電話。子どもが痛がっているとのこと。さっそく呼んで治療。お母さんの姿がすごかった。頭がまるで恐山。聞くところによると、孫が祖父の部屋でいつものように遊んでいた。そしていつものようにお菓子。孫が歯が痛いと泣き出した。歯医者へ連れて行くのは嫁の役目とのこと。そのとき、嫁は風呂で洗髪中。あわてて連れてきた。そこで嫁が愚痴を言い出した。それが先に書いたのと全く同じ内容。この祖父も一度だけ、孫を連れて当院へ来たことがある。アイスを二人で舐めながら入ってきた。当時の祖父母はむし歯予防についてはそんなレベルが多かった。
今の若い祖父母はむし歯予防について十分な知識があるので、むやみに甘いものを孫たちに与えない。それでも与えてしまう輩がいる。祖父母に限らず、両親も同じ。共通して言えることは、彼らが子ども以上に甘い物好きということ。本来、自分だけで食べたいのだが、側に子どもがいれば、ついあげたくなるのが人情。そしてまた中には、自分がお菓子を食べたいので、孫が欲しがっているという理由をつけて、買って来ていっしょに食べていた祖父母もいたなあ。その孫はやはりむし歯が多かった。
こんなに甘い物が多い世の中だが、親にむし歯予防の知識がついているので、小さい子どものむし歯は激減している。なのでむし歯の多い子を見ると、つい勘繰りたくなる。そして忙しい最中に歯医者に連れてくるのは嫁が多い。むし歯製造責任者は誰なんだろう。
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