談志の教え
- 2015年03月24日
- ごじゃっぺ高座
弟子の書いた本に談志から教えてもらったことがいくつか載っていた。ハチャメチャな談志で常人には理解できないところがあるが、弟子たちはそれはそれで感謝しているようだ。夜中に突然揚げたてのコロッケが食べたいと言い出し、弟子たちが探し回る。肉屋をたたき起こして土下座をして頼んで揚げてもらったエピソードは笑ったなあ。
その中で自分にも当てはまるものがあった。おごってもらったら並を食えということ。その昔、大学病院に勤務していたときのこと。助手に採用されて、なんと母校から給料をもらう立場になった。初任給は落語家と飲みに行った。あるときの給料で後輩の医局員にお昼を御馳走した。6人くらい付いて来たかしら。行った先は近くのトンカツ屋。少々高級なトンカツ屋で並のトンカツ定食を皆注文した。ところが一人だけ特上といった輩がいた。いっしょに行った仲間がぼそぼそと特上?、、、私も太っ腹なところを見せて黙っていた。もちろん私も並のとんかつ定食。
そのトンカツ屋は今でもある。後楽園の近くにあり、その昔子どもと笑点の収録前に久々に行って食べた記憶がある。特上のことを思い出す。野暮なことをいうようだが、一人だけ特上というのはドラマの中では笑えるが、現実の世界では気配りが出来ないというレッテルを貼られた様なものだ。落語家の修業は気配りがどれくらい出来るかということ。一般にも十分通用する。昔昔亭桃太郎の師匠春風亭柳昇が若い者は遠慮するなと言っていた。でも師匠にお御馳走になるとやはり弟子たちは遠慮すると思う。気を使うんだなあ。でも出されたものは綺麗に食べつくす。これは御馳走した者にとって気持ちのいいものである。
その特上の後輩は今何してんだろう。
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