横笛の調べ
- 2012年08月08日
- ごじゃっぺ高座
いい女が泣くと横笛の調べに聞こえ、おばちゃんが泣くとチャルメラに聞こえるという「男はつらいよ」の中のセリフ。中学2年の時、フルートを買ってもらった。当時は何とも思わなかったが、今思えばかなりのお坊ちゃんだったと思う。親父も親ばかだったのかな。大卒ほやほやの国語の教師が趣味でフルートをやっていて、その音色に参ってしまった。やけにその先生と気が合い、下宿へも遊びに行った。そこでフルートをまじかで見るようになり、ほしくなり買ってもらったという次第。その国語教師の紹介で買ったムラマツフルート。変な名前だが、世界的に有名とか。
熱しやすく冷めやすいのが私の悪い癖。もうひとつ、多芸は無芸も私のためにあるようなもの。その国語教師の下宿に行ってフルートのレッスン。まあ人並みに吹けるようになったっけ。高校に入りそれどころではなくなり、今度は大学へ入ってから、楽器が出来ればオーケストラの助っ人にということでまたやり始めた。一年後輩のクラリネットのM君が、いつからフルートをやったのかと聞かれたので中学2年からと答えたら、その時代、フルートなんてすごいねえと言われた。なんだかその一言が今でも心に残っている。そうかもしれないなあ。贅沢をさせてもらった。買ってもらった半年後だよ、親父が亡くなり、家は突然火の車。中学時代の友人たちは親父を知っていたので、けっこう助けてくれたなあ。嫌な奴だと思っていた友人が実はいい人だったり、、、感謝感謝。
後輩のM君。卒業して歯周病の教室に残った。その後講師になり、NHKテレビの健康相談によく出演した。しゃべりも上手で、私が聞いても勉強になった。そのM君の出演を見るたびにオーケストラ時代の一言を思い出した。同じ教室に残っていた友人に彼の噂を聞いた。独身を貫いているとか、、、、インド人もびっくり。それからしばらくだ。大学同窓会会報に載った訃報の知らせ。人生わからんもんだ。彼の一言が目を覚ましてくれた。
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