二つもいらない英会話教材
- 2012年06月05日
- ごじゃっぺ高座
在京時代、友人たちは英会話のカセットテープを持っていた。勤務先の従業員も持っていた。英語に興味があったんだろうなあ。当時の人気通信販売で買ったんだろう。その点、新し物好きの私は持っていなかった。通信販売屋もこいつははなっから勉強しないと思っていたに違いない。
長女がお腹にいた時のこと。自宅へ電話があった。あなたは60万人の中から選ばれたラッキーな方です。毎月わずかな支払いでリゾート券をもらえます。どうしますかとのこと。私は小躍りして家内と指定された新宿センタービル内のある部屋へ行った。そこはベニヤらしきもので小さく区切られていて、それぞれ小さなテーブルが置いてあった。BGMがガンガン鳴っていた。若いメガネをかけた人のよさそうな社員が私たちの担当。コーヒーを私たちの分と社員の分3つ持ってきた。5年間月々のわずかな支払いでリゾート券がもらえ、それを使えばホテル等の施設プールが格安で利用できますとのこと。さらにもうひとつ特典として英会話教材をプレゼントしますとのこと。社員がいうには隣の席の方は高校の先生で静岡から来て、もう契約したとか、景気のいい話ばかりしてくれた。あまりにもうるさいBGMで気持ち悪いので音量を下げてほしいと家内が頼んだ。すかさず上司らしき人に聞きに言ったらダメとのこと。
私はもうリゾート券買う気満々。静かな廊下へ出ようと家内に言われた。そこでおかしいという話。もう一度騒々しい部屋に戻り、家内が逆に幾つか質問をした。社員は焦り出して、思わず自分の飲み残しのコーヒーを倒してしまい、ハンカチで拭きだした。5年間払うということは要するに目的は英会話教材かと家内が聞いたら、社員はうなだれ、何を思ったか私のコーヒーを飲み始めた。契約不成立。帰り際、じょうぶな赤ちゃんを産んで下さいねと言われた。あの優しい社員はこういった仕事には向かないだろう。
帰り際、よくわかったねえと聞いたら、あれは英会話教材を売らせるテクニックだといった。それと二つもいらないとも言った。そういえば嫁入り道具の中に封を切ってない英会話教材がいくつもあったっけ。今もあるけど、どうするんだろう。
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