長靴をはいた親父
- 2012年04月29日
- ごじゃっぺ高座
東京オリンピックのあった年の天皇誕生日、快晴。実家の有線放送にヘリコプター遊覧飛行の募集があった。場所は町民球場。新し物好きの親父が私をスクーターに乗せて球場に向かった。その時の親父の恰好は確かスーツ、そして長靴をはいていた。私は半ズボンにサンダル。
その少し前、同居していた従兄弟が食事の時、ヘリコプターはプロペラが空中で止まっても落ちないと話していた。落ちる時、揚力?によってプロペラが回るので、ふわっと着地すると話してくれた。説得力があった。それを親父は信じていたらしい。ちょうど農家は田植えの準備で田んぼに水をはっていた。当時はまだ田んぼだらけの町。
ヘリコプターといってもトンボというやつ。確か農協号という名前だったかしら。これは不明。乗るとき、どうして長靴を履いたのか親父に聞いたら、もし落ちた時、田んぼは水があるからと話してくれた。生まれて初めて我が町を上空から眺めた。田んぼだらけで水をはってあった風景が今でも目に焼き付いている。
ヘリコプターの痛ましい事故を見ると当時の従兄弟の言葉と親父の長靴姿を思い出す。そうだ、大学の一学年上に日本で初めての女性ヘリコプターのパイロットがいた。当時テレビでも取り上げたが、その後ヘリコプター事故で亡くなった。残念。
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