待合室の手拭い 柳家三三
柳家小三治門下の逸材。小田原出身。
この落語家は前座の時から知っていた。でも当時は聴いたことはなかった。昔、落語同人誌に投稿をしていた。その中の一人が前座の当時小多けを褒めていた。
柳家小三治を破門になった弟子がその経過を本にして最近出版した。その元弟子は小三治に心酔しており、助命嘆願をしたが叶わず、また小三治自身ももう弟子は取らないとまで言わせたそうだ。
ところがその後弟子を取り、破門した元弟子と同じ名前を与えたそうな。それが今の柳家三三。それはないだろうというのが元弟子の言い分。その昔、三遊亭円窓を破門された弟子が、金田一なんとかというペンネームでその恨みつらみを本にした。元師匠の悪口をわざわざ本にして出版するという暴挙。しかし共通することは、マスコミは誰も相手にしないということ。そして読めば読むほど、破門して正解と読者は思うだろう。
さて三三をはじめて聴いたのは、郡山落語を聴く会。忙しい師匠で名古屋からやってきたそうな。只者ではないというのが直観。拙宅へも呼んだ。「妾馬」の前半部分を丁寧にそれも初めて聴くストーリーに仕上げた。たまたま聴きに来ていた演芸評論家の方も楽屋まで行き、事の仔細を聴いていた。元々あるストーリーであまり普通の噺家は高座にかけないらしい。先ごろ五街道雲助が出したCDで「妾馬」を通しでやった。三三と同じストーリー。後半部分は八五郎が侍になり、失敗の連続。最後は馬に乗り、馬が走り出して、どこへ行くかと聞いたら、前に廻って馬に聞いてくれというサゲ。演者も言っていたが、あまり面白くないストーリー。
三三に出演料を用意したのは前日。すっかり忘れていた。慣れが恐ろしい。色紙も丁寧に書いてくれた。ピースを今でも吸っている。健康に気を付けて,,,
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