ごじゃっぺ高座 ごじゃっぺミーハー巡り
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ごじゃっぺ高座

4回目の圓生百席


 昭和の落語名人の一人に三遊亭圓生がいる。芸至上主義で柳家小さん会長の大量真打昇進に粗製乱造と反対し、昭和53年に一門を引き連れ落語協会を脱退。自ら落語三遊協会を設立し、賛同者を募ったが、寄席側の反対に会い、結局圓生一門だけ別行動という形になった。その後、名前をいくつか変え、今では五代目圓楽一門会として活動している。その圓生が自らの落語を一席ずつレコードに百席残した。昭和50年ごろから、圓生百席としてレコードを売り出した。40年近く前の話。すべてスタジオ録音。その後、圓生は公演先の習志野で急逝。享年79。ちょうど亡くなった日と、上野動物園のパンダが死んだ日が同じで新聞のトップは皆パンダだった。

 大学医局を辞めるとき、記念に何が欲しいと聞かれた。すかさず「圓生百席」と答えたらひっぱたかれた。まあ、これは冗談だが、全席揃えるというのは気の遠くなるような値段。数席ならいいということで、1セットレコード3枚組を3セット買ってもらった。そのときの選んだタイトルは「なめる」「阿武松」「山﨑屋」「紺屋高尾」「淀五郎」「テレスコ」「豊竹屋」「鰍沢」「猫怪談」「千両幟」「雁風呂」「肝潰し」その後、好事家からカセットテープに録音した圓生百席を全部頂き、暇を見ては聴いていた。

 またしばらくしてその圓生百席が今度はCDとして発売された。それが県内の図書館にあるということを知って、地元の図書館に頼んで全部借りて聴いた。2年近く掛かったのかしら。数年後、知り合いの落語好事家から今度は圓生百席のCDを全部頂いた。

 さて、県歯の役員となり、今まで年に数回しか行ったことのない県歯会館に最低でも月数回行くようになった。交通手段は車。一般道で片道1時間20分。その時間を有効利用しようと考え、再び圓生百席を車内で聴くようになった。CD一枚が1時間10分くらいの量。行き返りCD2枚。それが目出度く、先ごろ百席を達成した。レコード、カセットテープの時代から計算すると都合4回聴いたことになる。最後に聴いたタイトルは「一文惜しみ」 立川談志は「五貫裁き」というタイトルで演じていた。一文を惜しんだため、後になって百両損をしたという噺。この噺に合わせたかのように、似たようなことが身近で起こった。もうがっくり、、、個人的に問い合わせて下さいませ。教えます。

 圓生の総領弟子でもある先代圓楽は歯で苦労した。一番弟子でもある、現五代目圓楽一門会会長の三遊鳳楽から直接聞いた話。師匠圓楽宅に義歯が数十個あり、生前好きなものを持っていけと言われたそうだ。さすがに断ったとのこと。前座で楽松と名乗っていた鳳楽は入門当時、圓楽は売れに売れていて、とても弟子の面倒を見る時間がないということで、大師匠圓生の処へ行かされて修業をした。そのとき間近で圓生と接し、圓生は全部自分の歯だと話してくれた。あの口調の良さはそのせいかと驚いた次第。先ごろ、晩年先代圓楽の歯を治療したという先生から連絡が入った。これも全くの偶然で、私が落語好きということを何かで知って連絡をくれた。くわしいことは書けないが、難しい口腔内とのこと。落語家も御多分にもれず、歯で苦労している方が多い。しゃべる商売なので歯は大事。名前は出せないが、ある超有名な落語家が実は総義歯ということがわかり、あの口調の良さがにわかに信じられなかった。

 今、車の中では桂米朝古典落語全集のCDを聴き始めている。全部聴き終わるのは何時ごろになるだろう。でもそれが全部スピードラーニングだったら、今頃英語がペラペラだろうなあとふと考えることがある。

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